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あの頃の時の声




売上げアップはコスト惜しまず美味しいご飯

21年 11


 ある席で、全国展開している蕎麦店が出すご飯がまずくなり
「匂いさえするので足が遠のいた」という話題が出た
「いまどき匂いがあるのは17年産米くらいしかない」
と伝えたが、その女性は
「ご飯の味はすぐ分かるから
蕎麦の味と同じくらい大事にしてほしい」と強調していた

 外食でメニューの値下げが相次ぎ
コンビニは298円弁当を売り出すなど
消費者の胃袋争奪戦は厳しさを増している
それが業務用米を含めた食材の値下げ要求へと波及する
当座はそれでもいいが
舌の肥えた顧客をごまかすことはできなくなる
結局は味の低下から客離れ
さらなる売ぴ上げの減少への悪循環に至る

 前述の例は蕎麦の味は落とせないので
コメの価格を落としたケースだろうが
同様にご飯のまずい飲食店が何と多いことか
飲食店のおにぎりよりコンビニの方がおいしい場合も多い
外食が業務用米をと値切り続けた結果
まずいご飯の店が乱立している

 コメの仕入価格を引き上げてでも
「ご飯のおいしい店」として顧客の味覚に訴えることが
結局は最高の客寄せになることに早く気づくべきではないか
良食味米へのコストは販促宣伝費とも考え
継続的に使用することで外食不況か乗り切つてほしい


 



業績アップは、やっぱり美味しいご飯

22年 12月


  コンビニや外食の店頭でも「新米」のPOPが目につく
居酒屋のおにぎりが新米のふっくら食感になったり
牛丼チェーンが新米使用をうたったりと
従来よりも味優先の業務用米が増えてきた

この新米効果で業務用米が「安かろう不味かろう」と決別し
もう一度食べたくなるおいしいご飯で
来店客を増やしてほしいものだ

 本人はコメの味に敏感だ
「ほか弁」の成功も、炊きたて風味のご飯に理由がある
飽食の時代にコメ代をケチって質を下げては
お客が減るのは当然だろう

大手ファミリーレストランの中には
明らかに古米と分かる味のコメを使っている店がある
古米臭こそないものの、明らかにヒネで、風味も粘りもない
「ご飯おかわり自由」のうたい文句も
ただ空腹を満たすだけの取り組みに思える

 原料コスト削減のために年間を通して
本部一括仕入れを行うなど、事情はあるのだろう
大手であるがゆえに小回りも利かないのか
しかし新米との味の差は歴然としている

これでは、「良いものを安く」から
最後には「ただ安いだけ」でした大手スーパーにも通じる
「健康に良い」と言われる発芽玄米が伸び悩んでいるのも
毎回食べ続けるには不味いからといわれる
この新米安を好機としてぜひとも米質を上げ
業績アップにつなげるよう提案していきたい





炊き方で変わる炊飯はりっぱな料理


22年 4月 

セブンイレブンはこの1年間でおにぎり14億個
弁当4億個を販売したそうだ
市場には商品があふれ、コメ販売も厳しい状況だが
実は消費者はご飯を好んで食べ
コンビニの主力商品になっている

一方では、景気低迷に伴って内食が見直されている
コメ販売業者も視点を変え、知恵を絞って工夫すれば
もっとコメが売れるのではないだろうか

 弁当類を飽きずに買ってもらうには
不断のマーケティング努力が欠かせない
食材の良しあしを判断するため
理化学特性を計測する機械もあるが
実際の味は人間の味覚が判断する

食品メーカー等の商品開発スタッフは
自分の好みの味と
一般的においしい味とを判別できる
別々の舌が求められるそうだ

自分の物差しとは違う
別のパターンで味を評価できる機能を
フルに発揮していくことが
売れる商品を開発していくためのカギだという

米穀店も同様に自分の味覚とは前の舌”を持てば
新たな客層の開拓に役立つのではないだろうか
それは自分の好みとはひと味違う
コメの個性を発見することであり
試食の積み重ねが欠かせない

ご飯の味は米質だけでなく、炊き方でも大きく変わる
いつも同じ釜でなく
土鍋なども含めた多くの釜で炊く比べ試食したい

炊き方による味の違いの演出は
まさに炊飯とは料理であり
新たな味を自分で作る楽しみの大切さを伝え
コメを拡販したい。


 



試食で誘い食味優先のブレンドで勝負


                 20年10月 


  今年は20年産古米在庫が豊富で、需給上の問題はないが        作柄は「やや不良」となり、品質が懸念される         新米はいまのところ米質が例年よりやや硬い傾向で
        全般に香ぴと甘みが少ないように思う
    粘りは悪くないが、かみ含んだときの粒感が物足りない
      品位のバラつきは昨年より確実に大きくなりそうだ

     こうした作柄低下の年こそプロの腕の見せどころ
       長年にわたって培ってきた選別眼を駆使し
     味本位の良品販売で厳しい商戦を打ち勝ちたい

          新米の出回りが本格化する一方で
           20年産の処分売りがみられる
  ただし20年産はコメの当たり年で、食味の良好なものが多い
      関東産には良く実ったときの魚沼産のような
            上品な粘りの良質米があり
      中にはいま現在も良食味を保持しているコメがある    こうした良品を古米だからと叩き売るのは実にもったいない

   産地銘柄をうたう3点セット表示や鮮度販売に固執せず
   古米であってもコメ本来の実力である食味を全面に出し
       味優先の販売で勝負してはどうだろうか

            品位のブレが大きい年は
     とくに品質を安定させるためのブレンドが欠かせない
      お茶でもコーヒーでもブレンドしてこそ味が生きる
       コメも堂々と新米・古米の良品フレンドを
           推奨していいのではないか
     単品イコール良品の既成概念をぜひとも正したい
      おいしいブレンド米が仕立てられたならば
       ぜひ店先に炊飯器を置いて試食を勧め
          店頭販売を盛り上げてほしい




過ぎた鮮度志向を正し、味本位で勝負


19年 7月 

        あと2ヵ月ほどで新米の季節となる
人気が失せたとはいうが、新米にはやはり旬の味わいがある
年に一度の好機を上手に生かしたい
もっともコメ業界は
「掲きたて」「新米」と鮮度をあまりにも
誇大に扱い過ぎてはいないだろうか


常温保管による古米の大過剰時代とは違い
いまは食味優先の低温保管施設が完備され
精米技術も進歩している
低温保管でも少しずつは劣化するが
1年程度ならば食味的に問題はない


新米は総じてお粘が多く、 香り ・甘みに優れる
しかしながら、すべてがそうとは限らない
むしろ米質が定まらず、水加減が難しい新米に比べ
古米は粘りが安定していて、味のプレがない
鮮度でなく味優先の仕立てにすれば
新古双方の良さを生かしたブレンド米が威力を発揮する


しかし、信仰とも表現される産地銘柄単品志向と
行き過ぎた鮮度志向がそれを阻んでいる
産地銘柄が味を代表しないことは、誰もが感じており
北海道米の躍進がその現実を如実に示している

銘柄や鮮度でなく
そのコメ本来の力である食味を優先させた販売には
その素性や食味特性を懇切丁寧に説明する必要がある
それを実行すれば
例えば新米より価値ある古米の存在も明らかになる
コメが保存特性に優れた食品であることも認知され
無用な返品による原料ロスも解消されよう




実需を見据えコシヒカリから脱皮

                 19年 3月

  政府米の価格も上昇し、慢性的な裾物不足が続いている
        売れるコメ作りイコール良質米生産と
   各産地が揃ってコシヒカリなどの銘柄米ばかりを作るから
   こうなるのだが、需要は家庭用 ・主食用米ばかりではない
         味も価格もグレードも多種多様で
食味が多少落ちても価格調整用に使える中間米へのニーズも高い

            生産者は発想を大きく転換し
       今年こそプロの視点で市場を見極めてほしい
       裾物需要に応えて増産・収益アップを図るのも
              的確な選択ではなかろうか

    そもそもコシヒカりは業務用に向かないコメともいえる
  食べてうまいが、ベタベタと釜離れが悪く、盛りにくい
        食器洗いにも苦労したいへん扱いにくい

     コシに比べると粘りの少ない雑銘柄クラスは
  ほぐしゃすく盛りつけも楽で業務用の大量炊飯にも向いている。          こうしたコメの品不足の中で
   コシヒカリなど上位良質米との価格差が大幅に縮まっており
      生産者にとって今年は作付けの好機であろう

         品種改良と栽培・保基術等の向上により
   コシヒカリでなくともおいしく食べられるコメが増えている
雑銘柄の人気は 相対的な食味向上という裏づけもあると考えられる

       そろそろコシ系一辺倒の生産形態から脱皮し
       加工米をも視野に入れた多様なコメ作りで
           需要拡大を目指すべきではないか
            お客さんをしっかり見据えてこそ
         真の売れるコメ作りが実現するのではないか



銘柄格差縮小のコメはソムリエの視点重要

20年11月

20年産米の市中相場は、コシヒカリと雑銘柄の価格差が
1俵当たりでほぽ500円に収まっている
まさに格差縮小の時代といえよう
自主流通米の全盛期は
良食味の銘柄米が絶対的な優位を保っていた
しかし急速に品種改良が進んだほか
政府古米も低温保管となり、コメの食味差は着実に圧縮された
良食味米の最高峰・新潟コシも
うかうかしていられない時代になった

 食味水準の接近は、各産地がポストコシを目指した
銘柄米確立事業を推進した結果であろう
さらに政府米の大産地だった
北海道・青森における品種改良、食味向上が大きい
コシ系一色となった現代は、品種による食味の差が小さく
年を越しても食味が落ちる銘柄が少なくなった

ただ、20年産は全国的に同じ産地品種でも食味差が大きく
いわば玉石混淆の群雄割拠状態にある
つまり産地銘柄そのままに売れば
当たり外れが多い年ともいえる

 しかし、こうした年だからこそ匠の選別眼が生きてくる
それは、試食の繰り返しによって磨かれる技
不景気だからこそ、産地銘柄に頼らない
食味優先のコメを「特選米」などと印象づけ
その良さを解説しながら拡販を果たしたい

食味差接近時代のコメ販売は
ただの「搗精業」から脱皮し
実際にお客さんが味わう「ご飯」を視野に入れた
ソムリエ機能の発揮が重要だ



新たな需要と顧客創造は情報の発信



 物不足の時代は質より量で、少しくらい品が
悪くても売れた。しかし物余りの現代は
品質に加えて安価が要求され
商品を置くだけでは容易には売れない

おまけにインターネットが生産と消費の距離を縮め
販売の多様化を進めた
多くの米穀店が「売れない」と嘆くが
量販店でさえ生き残りに必死の世の中だ

末端販売の自由化で米価は大きく下落したが
それでも安値1万円台のラインをよく死守している
とは言えまいか
市況の低迷は、輸入米在庫の心理的圧力も大きい
長粒種であっても腹が満たせることは
平成5年の大不作に体験済みだ

この外米在庫の圧力からはもう逃れられない
作り手も売り手も
質優先で違いの分かるコメの実現こそが
商売のカギを握る
厳しい環境の中でも、売り上げを1割近く伸ばした企業もある
取り扱うコメの半分は有機栽培等のこだわり米という

顧客の希望とはお構いなしに
一方的に原料構成を決めた標準価格米という
没個性的なの商品があったが
飽食の現代は違いをいかに演出して引きつけ
食べたいと思わせることが肝要だろう

それには、もちろん客層の把握も大切だが
日々弛まぬ情報発信による顧客の創造・育成か不可欠だ

    


肥満メタボ対策に分搗き米が効果

 

肥満、メタボ、高血圧などによる健康懸念から、
玄米食に興味を持つ人は多い。
しかし玄米は炊くのが難しい上、味が悪い。
しかも胃腸の弱い人には繊維質が強すぎて消化が悪く、
栄養障害に至る恐れも高い。

市販の発芽玄米は、ウエットタイプにドライタイプ、
表皮を軽く削ったものから、
低アミロース米を原料にしたものまで
多種多様だが、高価でしかも味がいま一つだ。
このため食べ始めてはみたが、長続きしない人も多い。

 中には厚い玄米層そのままに
自分で発芽玄米を作る人もいるが、
「下痢をしてしまった」という例もある。
発芽の過程で雑菌が繁殖して失敗することも多い。
最近では、厚い玄米の繊維質を削って味の向上を図り、
消費拡大を狙った発芽玄米製品も登場しているが、
それもキロ800〜1000円とお手頃価格にはほど遠い。

 こうした健康志向米は薬ではないし、長続きさせるには
ある程度の食味と手頃な価格の実現が不可欠だ。
幸い米穀店には、古くからコメの栄養素を残した
分搗き米という存在かある。

初めは軽めに92%程度から始め少しずつ慣らせば、
食味も価格も無理なく続けられる。
成功の秘訣はその良さを知らしめる
顧客への粘り強い啓蒙にある。
当社には、分搗き米の販促・啓蒙を図るポスター
「健康ライフ」があるから有効活用して欲しい。





滋養強壮にも風味ある新米

 

今年も新米の季節を迎えた
魅力が薄れたといわれる昨今だが
世界中から食品が輸入され、季節感もなくなった現代では
必然なのかもしれない。しかし旬の物を食べると
長生きするといわれるのは、適期に実った新鮮な食べ物には
命を活性化させる栄養素が満ちているからだ
新米期は、産地銘柄以外の要素でコメをアピールできる
大切な拡販の好機でもある。年に1度のこの旬の商材を
大切に生かしたい。

 早刈り傾向のために未熟粒の多いものは若干劣るが
新米は炊き上がる頃に漂う香りが違う
粘りは熟成した古米のような安定感はないが
そのまだ定まらぬ米質と、ほのかな風味に
新米らしさを感じる。新米は鮮度が命
早めに食べ切ってもらうのが一番だ
暑い時期の新米こそ小袋対応で搗きたてを
小まめに買ってもらい、いち早く食べてもらいたい

 新米の風味は玄米の表層に多く含まれているから
搗精に当たってはひと皮残すくらいの細心の注意を払いたい
脂が乗ってうまいのは魚だけでなく、実はコメも同じ
軽く仕上げ、少し糠臭が漂うくらいのコメが、実は一番うまい
この旬のうまみを賞味するためには
白度をあまり上げない方がいい
米質が軟らかな新米期こそ、米穀店の腕の見せどころだ






手作り糠漬けで健康ライフの進め

 

キュウリやナス、白菜などの漬け物はむかし
どの家庭でも漬けたものだった
いまでは手っ取り早く市販の物で済ませる家庭が多いが
スーパー等で売られている漬け物の9割が中国産だそうだ
地域特産の漬け物も、実は輸入品という事例が多い
大根や白菜を干して漬ける母親の姿を見て育った者には
何とも嘆かわしい思いにかられる

 ただ浸すだけの浅漬けの素もあるが
明らかに化学調味料の味で、初めは良くても、すぐに飽きがくる
やはりコンブなども使う手作りの漬け物や
自家製の糠床で作る漬け物の味が良い
この味を子どもの頃から親しむことで
成人した時に「あの時の味を楽しみたい」と思わせる親心が
大切な日本の食文化を後世に伝える第一歩ではないだろうか

 とくに糠漬けは、コメ糠の優れた有効成分が染み込み
野菜の繊維質が整腸作用を発揮
その乳酸菌の摂取で腸内の悪玉菌を排除してくれる
小さな深めの密閉容器に糠を入れれば
キュウリが2本ほど容易に漬けることができる
できた糠漬けは毎日味が違うが
変化があってこそ手作りの味だ
手荒れが心配な人は、はしで糠をかき混ぜてもいい
皆様も、健康、美容に有効な手作りの糠漬けで
健康ライフを手軽に実践してみませんか





おいしい少量炊飯の伝授が販促のカギ

 コンビニ各社が伸び悩みの打開策として、高齢者をも
取り込みつつ、年齢や家族構成などに合わせた
地域密着型の店づくりに力を入れるそうだ。
量販店もコンビニも過当競争で苦しんでいる。

物余りの現代は、いかに購買意欲をかき立てるか、
その手法が限られたパイを獲得するカギになってきた。
こんな時代だからコメが容易に売れないのも当然だろう。
コメ業界も確実に進む高齢化社会を視野に入れ、
団塊世代のニーズをも引き入れる知恵比べに参加したい。

幸いこの世代は、日本型食生活を経験してきた。
自ら納得できれば「コメくらいは少々高くても良いものを」
と出費を惜しまぬ人も多い。
老後の楽しい食生活の演出には、
おいしいご飯は必須のアイテムだろう。

ただし、良い原料米を提供するだけでは、
いまの時代には不十分だ。
この世代は子供が巣立ち1合炊飯のケースも多い。
コメのうまみを引き出すには、少量でもおいしく炊き上げる
炊飯手法の伝授が不可欠になる。

火力の強いIH3合釜の選定からヽこだわりの土鍋炊飯の方法まで自らが体験し、それを啓蒙していく努力が欠かせない。
手間暇かける土鍋炊飯など、
時間に余裕の出る団塊の世代には
作る楽しみとしてぴったりではないか。
 「搗く」から「炊く」
の発想転換で大いに拡販を目指したい。


名は味を表さず、100%表示は再考


 業製品とは違い、常に自然交配の可能性があるコメ
について、産地品種の単品販売に義務づけている100%
表示は見直すべき時ではないか。

 確実に100%を達成するためには、集荷から掲精まで
品種ごとの専用ラインを使い、そのつど徹底した清掃が
必要になる。出所の明確な種子でさえ異品種混入の
事実がある。―粒残らずDNA鑑定でもしない限り、
「100%純粋」の正確な証明はできない。

 種子の段階を含めて生産・集荷現場では、常に意図せざる
混入の機会が発生する。精米工場がどんなに清掃を
徹底しても、最初から違っていればすべて
元の木阿弥(もくあみ)だ。種子の集合体であるコメは、
常に異品種混入のリスクがつきまとう。
その実情に即して100%表示は廃止すべきだろう。

 そもそもコメは、薬品とは違う。100%論議は不毛で、
本筋を逸脱している。コメにとって大切なのは味であり、
名ではないはずだ。かつては品種が食味を代表していたが、
総銘柄米の現存ではその方程式が崩れつつある。

 北海道米の需要増大は、銘柄間の食味格差の縮小を
物語っている。コメがその名ではなく、
本来の実力、食味を優先した販売の時代になったことを
告げている。銘柄表示は味にあらず。
もう名は体を表さない時代になった。



おいしいご飯は十分な浸水がコツ


◇むかしはお母さんが早起きして、かまどと薪
でご飯を炊たものだが、炊取器が登場して一
気に変わった。タイマーや保温機能が付き、
マイコン余熱制御の強制浸水による15分炊き
の製品まである。しかし、どんなに熱や圧力、
振動を加えても、自然な吸水にはかなわない。
火力の強いIH釜は確かにコメのアルファ化を
促すか、こうした強制加熱は同時に細胞の破
壊も進め、コメ本来が持つ個性、うまみを損なう
と指摘する研究者もある。

 ◇ふっくらご飯にするには、やはり2時間は浸水
し、コメの芯まで吸水させる必要がある。ところ
が世は安直なスピード時代。「え、そんなに長
く」の一言が返ってくる。察するにほとんどの
家庭の浸水はいま、せいぜい30分ほどではない
か。米袋には、判で押したように「夏は30分、冬
は1時間」の印刷が見られる。消費者が「これで
十分」と信じてしまうのも当然だ。

 ◇吸水が足りないと、ほとんどが硬めで粘りの
少ないご飯になる。これでは、せっかくの銘柄
米の味も台なしだ。急ぐときは別だが、クレー
ム対策にも浸水の重要性だけはしっかりと伝え
たい。結果として表面を磨いてしまう無洗米も
総じて吸水が悪く、中には香りが失せたものも
散見される。こうしたコメでも、すすぐくらいはし
て表面に刺激を与え吸水を促しうまみを引き
出したい。



ご飯は世界のダイエット食

◇四季の変化に富み、季節折々の食材に恵まれる
日本は、素材の持ち味を生かすために加工度は
少なめにし、薄味で賞味することが多い。ぐつぐ
つ煮ては台無しになるみそ汁と洋食のシチューな
どは実に対照的だ。わさび醤油で食べる刺身は、
素材の味を生かす和食文化の象徴といえよう。

◇ご飯の味も非常に淡白で、無味無臭ともいえる
ほどの味わいの中に、ほのかな香りと甘みに粘
り、そしてかみ含んだ時の食感との喉越しを堪能
する。これに対して世界のコメは、ジャスミンラ
イスに代表される強烈な芳香とパサパサした食感
が好まれる。

◇こうした食の対比は、うまみ成分の違いにも現
れる。洋食は、肉汁などに含まれるイノシン
酸系が主体だ。これに対して和食のうまみは、し
ょう油系ともいわれ、穀類や豆類などの発酵、コ
ンブに含まれるグルタミン酸などに代表される。
洋食系のイノシン酸は、グルタミン酸が加わる
と、うまみが倍増する。イノシン酸はかつお節に豊
富に含まれ、粗食を代表する一汁一菜の中にもう
まみが凝縮されている。

 ◇和食は低カロリー食として世界各国で認知され、
寿司は世界の健康食、ダイエット食の代表となった
実はご飯は全体の65%が水分、「ご飯は太る」は
全くの迷信。おかずを減らせばいいだけの話しだ
食ぺてやせる健康ダイエットに、いまやコメこそが
「世界標準」となっている。



            

   
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